2024年に読んだ本
去年の記事
読んだ本の数:52冊
読んだページ数:17046ページ (46.7/day)
全体を通して
これまでの読書量は以下の通り。
- 2020年
- 読んだ本の数:90
- 読んだページ数:27,810ページ (76/day)
- 2021年
- 読んだ本の数:136
- 読んだページ数:43,140ページ(118/day)
- 2022年
- 読んだ本の数:102冊
- 読んだページ数:29,013ページ(79.5/day)
- 2023年
- 読んだ本の数:44冊
- 読んだページ数:13,249ページ(36/day)
- 2024年
- 読んだ本の数:52冊
- 読んだページ数:17,046ページ (46.7/day)
2024年の読書量は2023年と比べると増えているが、個人的にはもう少し増やしたいと思った一年だった。
もう少し増やしたいと思うのは、自分の研究が場当たり的になっているように感じてきたからだ。論文ばかり読んでいるとより大きな視点を持つのが難しくなる。専門的すぎて(論文なので当然だが)私の視野が狭くなる。そうした狭さを広げてくれて、俯瞰的に眺めることや視点を大きく変えることを可能にするのが本だと思う。これは『客観性』が特にそうだったと感じる。
学際的に研究したいと思っており、そうした視野の広さ、視点を(適宜)変えることを大事にしたいので、2025年はもう少し読書時間を増やしたい。
読んでよかった本(特によかったのは太字)
- 記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門
- 私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか: カーニズムとは何か
- 〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす: 正義の反対は別の正義か
- クジラと話す方法
- 分析フェミニズム基本論文集
- 客観性
- ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと
- 信頼と裏切りの哲学
- 心理学を遊撃する: 再現性問題は恥だが役に立つ
- あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか
- ケアの倫理──フェミニズムの政治思想
- Wild Animal Ethics
- モラル・バウンダリー: ケアの倫理と政治学
- スピルオーバー――ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか
- Capacity for Welfare Across Species
- The Scope of Consent
- 反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる
- 世界最先端の研究が教える すごい哲学
- Animals, Work, and the Promise of Interspecies Solidarity
- 宇宙倫理学入門
- 動物倫理の最前線: 批判的動物研究とは何か
- AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか
- バトラー入門
- Uncommon Sense: Jeremy Bentham, Queer Aesthetics, and the Politics of Taste
- 新版 日本の動物政策
- 心理尺度構成の方法:基礎から実践まで
- Animal Ethics in Context
- 功利とデモクラシー:ジェレミー・ベンサムの政治思想
- Animal Rights Without Liberation: Applied Ethics and Human Obligations
29/52(≒0.56)で、去年(0.41)より良い本に出会えてると思う。時間がなくて限りある中で読まなければならないためにそうなっている気はする。
太字の本について少しコメント。
- 個人的にトップ3は、『バトラー入門』『Animal Ethics in Context』『功利とデモクラシー:ジェレミー・ベンサムの政治思想』。どれも方向性は違うが、素晴らしい内容だった。
- 『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか: カーニズムとは何か 』は、動物倫理の議論を心理学にちゃんと接続させようとしている姿勢がよかった。何より、非ヒト動物に対する我々の心理的特徴を明らかにしようとする一連の研究パラダイムが本書(など)を起点にしているので、その意義は大きかったのだと思う。
- 『分析フェミニズム基本論文集』は、分析哲学的方法でフェミニズム的議論をする方法を垣間見せてくれたこと、またこれを翻訳してくれて本当にありがとうという気持ちがある。
- 『客観性』は、科学における「客観性」の位置づけについて壮大なストーリーを描いており、私には内容の妥当性を検証する能力がないが、「客観性」に関する考えを深められたと思う。
- 内容に同意するかどうかはともかく、議論の方法に感動していたのは『The Scope of Consent』かも。この手の分析系のセンスをもった議論は読むといつも感動してる。
- 『クジラと話す方法』はAIを用いた動物への影響を考える上でとても示唆的だった。
- 『宇宙倫理学入門』は、宇宙という広大なトピックの議論をするにあたり、どういう時間軸で話すかを明示的に設定して議論していて参考になった。
- 『Uncommon Sense: Jeremy Bentham, Queer Aesthetics, and the Politics of Taste 』はベンタムの可能性を考える上で示唆的だった。
読んだ本
記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門 (講談社選書メチエ 577)
読了日:01月22日 著者:谷口 忠大未来社会と「意味」の境界: 記号創発システム論/ネオ・サイバネティクス/プラグマティズム
読了日:01月23日 著者: 私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか: カーニズムとは何か
読了日:01月28日 著者:メラニー・ジョイ〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす: 正義の反対は別の正義か
読了日:01月29日 著者:朱 喜哲クジラと話す方法
読了日:02月11日 著者:トム マスティル分析フェミニズム基本論文集
読了日:02月12日 著者: 哲学的急進主義の成立 I: べンサムの青年期 (叢書・ウニベルシタス)
読了日:03月02日 著者:エリー・アレヴィ客観性
読了日:03月06日 著者:ロレイン・ダストン,ピーター・ギャリソン映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 (光文社新書)
読了日:03月14日 著者:稲田 豊史抵抗する動物たち: グローバル資本主義時代の種を超えた連帯
読了日:03月16日 著者:サラット・コリングACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと
読了日:04月02日 著者:アンジェラ・チェン信頼と裏切りの哲学
読了日:04月03日 著者:永守 伸年心理学を遊撃する: 再現性問題は恥だが役に立つ
読了日:04月18日 著者:山田 祐樹あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか
読了日:04月24日 著者:レイチェル・ハーツケアの倫理──フェミニズムの政治思想 (岩波新書 新赤版 2001)
読了日:04月25日 著者:岡野 八代情動と理性のディープ・ヒストリー:意識の誕生と進化40億年史
読了日:05月03日 著者:ジョセフ・ルドゥーAIに意識は生まれるか
読了日:05月05日 著者:金井 良太Wild Animal Ethics
読了日:05月11日 著者:Kyle Johannsen愛の労働あるいは依存とケアの正義論
読了日:05月20日 著者:エヴァ・フェダー キテイモラル・バウンダリー: ケアの倫理と政治学
読了日:05月21日 著者:ジョアン・C・トロントケアリング・デモクラシー: 市場、平等、正義
読了日:05月23日 著者:ジョアン・C・トロントスピルオーバー――ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか
読了日:05月24日 著者:デビッド・クアメン見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク
読了日:06月03日 著者:ウィリアム・マッカスキルCapacity for Welfare Across Species
読了日:06月12日 著者:Tatjana Viak人工知能の哲学入門
読了日:06月18日 著者:鈴木 貴之The Scope of Consent
読了日:06月25日 著者:Tom Dougherty深層学習 改訂第2版 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)
読了日:06月28日 著者:岡谷 貴之反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる (ハヤカワ文庫NF)
読了日:07月12日 著者:ジョセフ・ヒース,アンドルー・ポター世界最先端の研究が教える すごい哲学
読了日:07月12日 著者:稲岡 大志,長門 裕介,森 功次,朱 喜哲生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642)
読了日:07月15日 著者:今井翔太人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 増補新版 (ちくま文庫 よ-31-2)
読了日:07月26日 著者:吉川 浩満理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ (ちくま文庫)
読了日:07月30日 著者:吉川 浩満AI・データ倫理の教科書
読了日:07月31日 著者:福岡 真之介宇宙・動物・資本主義──稲葉振一郎対話集
読了日:08月03日 著者:稲葉振一郎Animals, Work, and the Promise of Interspecies Solidarity
読了日:08月06日 著者:Kendra Coulter宇宙倫理学入門
読了日:08月06日 著者:稲葉振一郎動物倫理の最前線: 批判的動物研究とは何か
読了日:08月07日 著者:井上 太一AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか (DOJIN選書)
読了日:08月16日 著者:江間 有沙快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫)
読了日:08月27日 著者:デイヴィッド・J・リンデンバトラー入門 (ちくま新書 1807)
読了日:09月10日 著者:藤高 和輝Uncommon Sense: Jeremy Bentham, Queer Aesthetics, and the Politics of Taste
読了日:09月20日 著者:Carrie D. Shanafelt生成AIの法的リスクと対策
読了日:09月24日 著者:福岡 真之介,松下 外市民的抵抗:非暴力が社会を変える
読了日:10月06日 著者:エリカ・チェノウェス日本の動物観: 人と動物の関係史
読了日:10月13日 著者:石田 戢,濱野 佐代子,花園 誠,瀬戸口 明久新版 日本の動物政策
読了日:10月25日 著者:打越 綾子あらゆることは今起こる (シリーズケアをひらく)
読了日:10月30日 著者:柴崎友香心理尺度構成の方法:基礎から実践まで
読了日:11月19日 著者: Animal Ethics in Context
読了日:11月23日 著者:Clare Palmer功利とデモクラシー:ジェレミー・ベンサムの政治思想
読了日:12月04日 著者:フィリップ・スコフィールド,Philip Schofield社会心理学のための統計学[心理学のための統計学3]: 心理尺度の構成と分析
読了日:12月16日 著者:清水 裕士,荘島 宏二郎女装の剣士シュヴァリエ・デオンの生涯
読了日:12月18日 著者:窪田 般弥Animal Rights Without Liberation: Applied Ethics and Human Obligations (Critical Perspectives on Animals)
読了日:12月31日 著者:Alasdair Cochrane
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